留学中も以前からの趣味を続けたいな~、とか、新しい趣味を見つけたいな~という方も多いのではないでしょうか。
趣味はストレス発散になりますし、スポーツや音楽等、複数人で行う趣味は学校以外の新たなコミュニティを作ることもできます。
私も上海留学中に趣味である「音楽」を続けたいと思い、社会人の合唱サークルとオーケストラ、2つの団体に所属していました。
私の場合は留学を初めてから5か月目に団体に入り、当初は4年間留学をする予定だったので、長く続けるつもりでした。結果として1年間で帰国した為、半年程しか活動できなかったのですが、それでも団体に入って趣味を続けて良かった!と断言できます。
なぜそう思ったのか、また、どのように活動していたかをご紹介していきます。
留学中も趣味を続けるべき理由
学校の勉強だけでなく、趣味も続けて良かった!是非おすすめしたい!と思った理由を3つにまとめました。
①ホームシックを忘れられる
好きなことに没頭している時間、ホームシックのことを忘れられます。
まず、何かに没頭してホームシックを紛らわせたい、というのが留学先で趣味を続けようと思ったきっかけでした。私の場合、留学の最初から1年後に帰国するまで、ホームシックがなくなることはなかったのですが、音楽をしている時は寂しい気持ちを忘れることができました。
特に合奏している時は、譜面を追い、周りと合わせて、次にどういう表現をするか等、常に頭をフル回転させるので、他のことを思い出す隙が無いほど充実した時間を過ごしていました。
留学中は自由な時間や一人でいる時間も多く、そんな時にぼーっとしていると、ポジティブなことからネガティブなことまで考えてしまうので、目の前のことにだけ集中できる環境はすごく貴重でした。
もちろん留学中なので、勉強に没頭する、という方法もあります。しかし、一人で黙々と勉強をしていると、気付くと考え事をしてしまっていたり、勉強だけずっと続けるのもなかなか辛いものがあるので、好きなことだけできる時間を作るのも大事だと思います。
②学校以外の知り合いができた
留学中はコミュニティが学校のクラスに限定されがちですが、外部の団体に所属していれば、コミュニティを学校外に広げることができます。
私が真っ先に思いついたのが趣味の音楽ができる団体に入ることでしたが、他にも、学外のセミナーに参加したり、習い事をしたり、という方法もあると思います。
私は中国人のオーケストラと日本人の合唱団に所属していたので、それぞれに知り合いができました。
オーケストラの方は日本人や他の外国の方も所属する多国籍な団体で、私の入ったフルートのパートは皆さん中国人の方でした。楽器も大して吹けず、中国語も十分に話せない私に対しても、毎回優しく接してくれて、指揮者の先生(中国人)が指示した内容になかなかついていけなかった時も「聞き取れた?」「こう言ってたよ」と具体的に楽譜に示しながら解説してくれることもありました。
合唱団の方は団員は全て日本人でした。社会人団体なので、年齢層は同年代の学生から定年退職されている方まで様々です。年齢はそれぞれですが、皆さん音楽が好きで集まっている方なので、話が合うことも多く、練習後のご飯会ではすごく盛り上がっていました。
メンバーは、日本の企業から駐在として上海に来ている人、中国で起業した人、定年退職後移住生活をしている人など様々です。今まで関わったことのないような経験をされている方ばかりで、話していてとても面白く、新鮮でした。
③趣味を楽しみに毎日の学校を頑張れる
楽しみができることで日々の生活にハリができ、さらに勉強を頑張れました。
基本的にはそれぞれ練習日が週1日だったので、活動日程が勉学の妨げになることはありませんでした。
毎週の活動を楽しみに毎日生活できたので、学校生活にも前向きに取り組めるようになったり、飛び級する為に毎日必死で勉強していたので、趣味の場は心の支えにもなっていました。
飛び級についての記事はこちら→中国語力ゼロからの語学留学。1年で飛び級までできた理由
さらに、趣味の活動を通じて、学校以外でも留学ならではの経験ができること、勉強以外にも学べることが沢山あると実感できました。
特にそう感じたのが、日中国交正常化35周年を記念した演奏会へ参加したことでした。
上海で活動している中国人と日本人の音楽団体が参加した大規模な演奏会で、私は合唱団として参加。中国語、日本語両方の歌を披露しました。
演奏会が終わると日本人と中国人がお互い「ありがとう」「謝謝(ありがとう)」を言いながら握手をし合い、会場全体が一体感に包まれたような雰囲気に。国同士の仲が良くないとか、そんなことは全く関係ない音楽を中心とした純粋な国際交流でした。
学校で勉強しているだけでは体験できなかったので、学校外の活動をしていて良かったと強く思った瞬間でした。
上海留学中の趣味実践方法
続いて、実際に上海留学中の1年間で、どのように「音楽」という趣味を実践したか、ご紹介していきます。
楽器については、一時帰国した際に日本からフルートを持って行きました。機内持ち込みできるサイズなので、何も苦労なく持ち運びできる点が小型楽器の良い所だと思います。
まずは、一番おすすめの団体に所属して趣味を続ける方法。そして、団体に所属したとしても必要になってくる個人練習。この2点について記載していきます。
音楽団体に所属する
団体に所属すれば毎週場所も確保できるし合奏もできると考え、団体探しをすることに。
通っている大学内で音楽サークルを探そうと担任の先生に相談するも、大学内に音楽サークルはありませんでした。そこで、利用していた留学エージェントのスタッフに相談してみたところ、その方が所属している中国人主体のオーケストラを紹介してもらえることに。
入団にはオーディションがあり、その場で指定されたスケール(音階)と自分で用意したエチュード(練習曲)を演奏する、とのことだったので、スケールの練習と楽器店でよくわからず買ったカルク=エラートのエチュードを1曲練習して行きました。(難しいエチュードだと知らずに買い、完成しないままオーディションへ。。。)
オーディションの結果は、、、不合格!
ですが、練習生として入団することになり、演奏会は出れないものの、毎週の練習には参加させてもらえることになりました。
さらに、演奏会に参加できそうな団体にも入りたいと思ったので、インターネットで検索してみると日本人の吹奏楽団と合唱団を発見。
それぞれ見学+体験入団ができるとのことだったので早速連絡し、体験練習をさせてもらった後、合唱団の方に入ることに決めました。オーケストラとは練習日が被らなかったので2団体の両立が可能でした。
音楽団体の探し方
留学先での音楽団体の探し方をまとめます。
学校内サークルを探す
大学によっては、音楽サークルがある場合があります。留学生が参加できるかどうか等の確認は、大学内の事務所に問い合わせてみると良いです。
知り合いの紹介
既に団体に所属している知り合いがいるとより安心ですね。現地の方の団体に入りたい場合は知り合いに紹介してもらうのが一番スムーズだと思います。
インターネット検索
サイトを開設している団体は多く「都市名 吹奏楽団」等で検索するとヒットします。メールで見学の申し込みや問い合わせができる場合が多いので、まずは連絡を取ってみましょう。
所属団体は、現地の方の団体でも、日本人の団体でもどちらでも良いと思っています。私は中国人のオーケストラと日本人の合唱団それぞれに所属しましたが、どちらも良い点がありました。まずはやってみることの方が大事だと思うので、こだわり過ぎる必要はないと思います。
現地の方の団体について
メリット:現地の方の知り合いが増え、現地の言葉で話す必要があるので語学力が伸びるきっかけにもなります。せっかく留学に来ているのだから、現地の知り合いを増やしたいという方におすすめです。また、入団時点である程度の語学力が必要になります。
日本人の団体について
メリット:現地で長く生活している日本人の知り合いが増えることで、海外生活に必要な情報を入手しやすくなります。知り合った日本人から現地の方を紹介してもらえることもあります。社会人団体であれば日本の企業から駐在として来ている方も多いので、日本での就職に関する情報も聞くことができます。
どちらにしても、私のおすすめは社会人団体に入ること!学生団体より確実にコミュニティが広がります。
個人で練習する
楽器練習となると、気になるのは「音」。宿泊先で気軽に演奏できないのが難点でした。壁の薄い寮の部屋で演奏するわけにもいかず、練習場所を探すことに。
日本であれば、家で楽器練習ができない場合はカラオケで練習するのが一般的だと思います。上海にもカラオケ店はありましたが、大学から遠く、料金も高かった為、もっと気軽に練習できる場所はないかと考えていました。
そこで思いついたのが公園です。
大学の近くにとても大きな自然公園があり、そこで中国楽器の二胡を演奏している人を良く見かけていました。ということは、フルートも練習できるかも?と思ったので実践してみました。
まずは公園内の人が少なそうな場所で2時間程楽器を吹いてみることに。譜面台もなかったので、石が積んである壁になんとか場所を見つけて無理やり譜面を置いたり、周りから見ると結構変な人だったかもしれません。
「注意書きはなかったけど、楽器演奏が禁止されていたらどうしよう」とか「知り合いが通ったら恥ずかしいな」とか最初はビクビクしていましたが、いざ始めると意外と集中して練習することができました。
途中で知らない人に突然話しかけられて「背筋ちゃんと伸ばして!」とアドバイスを頂いたり、フルートを練習する人は珍しいのか、近くまで来てしばらく見ている人がいたり、なかなか面白い練習時間となりました(笑)
緑の多い公園なので、自然の中で楽器を吹くのはとても気持ちが良いです。たまに虫が飛んでくるので、そこだけ我慢でした。
しかしこの練習場所は屋外なので、練習できるのは暖かい季節のみ。冬は上海もかなり寒いので、さすがに外で練習することはできませんでした。
屋内の練習場を探してはみましたが、大学内でなかなか見つけることができず…。宿泊場所で息を入れずに指だけ動かす練習を行ったり、団体の練習に早めに行って自主練をしたり、可能な範囲で個人練習を実施していました。
楽しい留学にする為に
語学留学の一番の目的は語学習得ですが、それ以外のことを我慢する必要は全くないと思います。(学業を疎かにしてしまうのは、違うかと思いますが…)
勉強以外の楽しみも見つけて、さらに充実した留学生活が送れたら最高ですね!
私は最初の予定を変更して1年で帰国したので、偉そうなことは言えませんし、後悔もしていませんが、もっとポジティブに、悩み過ぎず、積極的に行動できていたら、さらに楽しい留学生活になっていたのかなぁと思うことはあります。
留学でこそ経験できること、もしかしたら日本でもできるかもだけどやってみたいこと、なんでも良いと思います。
大事なのは、異国の地で生活することで「何を感じたか」、それによって「自分はどうするか」、「これからどうしていきたいのか」を考えることかな、と。
今後の人生においてとても大きな経験になるはずなので、是非楽しんで留学生活をお過ごしください!